「ふくろうの個別株投資」と題して、ブログで私が実践している個別株投資の方法を書いています。
第1回「株価=EPS×PERを考える」で解説した内容が前提となっているので、まだの方はこちらの記事からお読みください。
このブログでは基本的な考え方を解説し、網羅的な手法解説と具体的な方法については、再販を予定しているbrain¬e「割安成長株投資の極意」で公開します。
なお、記事の内容は全て私見・主観的な意見です。一般的でない考え方や間違いもあるかもしれませんが、私見である点はご了承ください(明らかな間違いはDMで優しく教えてください)。
また、「ふくろうの個別株投資」ブログ記事内では具体的な銘柄については言及しません
当ブログの内容に基づいて、または参考にして投資を行い損失が発生した場合でも、放射線科医ふくろうは一切の責任を負いません。投資は100%の自己責任で行うことを、改めてご確認ください。
適正なPERって何倍なの!?
で、何倍なの!?
PERはその銘柄への期待そのもの。成長性から将来予想される利益水準を考えるといいよ。
株価=1株当たり純利益(EPS)×PERでしたね。
「PER 8倍だから割安」「PER 40倍だから割高」という単純な考えは、いずれも適切ではなく、PERのみを基準に機械的に売買をしても利益を出すことができません。
実際には「PER 8倍だが衰退産業で買うに値しない。割安とは言えない」「この銘柄はPER 40倍だが成長性を加味してまだまだ割安」というように、企業の事業内容、今後の成長性、成長余地を考えて、その銘柄の適正なPERを推定していきます。
EPSの成長シミュレーション
毎年EPSが同じペースで増加していくときの、指数関数的なEPSの増え方をご確認ください。
年0%成長 | 年10%成長 | 年20%成長 | 年30%成長 | |
現在 | 1 | 1 | 1 | 1 |
1年後 | 1 | 1.1 | 1.2 | 1.3 |
2年後 | 1 | 1.21 | 1.44 | 1.69 |
3年後 | 1 | 1.33 | 1.73 | 2.2 |
4年後 | 1 | 1.46 | 2.07 | 2.86 |
5年後 | 1 | 1.61 | 2.49 | 3.71 |
6年後 | 1 | 1.77 | 2.99 | 4.83 |
7年後 | 1 | 1.95 | 3.58 | 6.27 |
8年後 | 1 | 2.14 | 4.3 | 8.16 |
9年後 | 1 | 2.36 | 5.16 | 10.6 |
10年後 | 1 | 2.59 | 6.19 | 13.79 |
継続的な成長が見込まれる株(成長株)では、一般に、成長性が高い株ほど高PERが許容されて株価が高くなります。
この理由は、将来のEPSとPERの関係を計算してみると分かります。
例えば、当期のEPSが100円で、毎年20%ずつEPSが成長する会社は、1年後のEPSは120円、2年後のEPSは144円、3年後のEPSは173円です。この会社の現在(EPS 100円)のPERが40倍(株価4,000円)と高水準であっても、3年後(EPS 173円)を基準に考えるとPERは4000÷173 = 約21倍で割高とは言い切れません。
適正なPER水準(成長株・割安成長株)
東証プライム上場企業の適正PERは約15倍とされ、また平均的な企業の業績成長は約6%とされています。
結論から言うと、EPSが10%成長する会社のPERは20倍、20%成長する会社のPERは35倍まで許容範囲、30%以上成長する会社はPER 50倍以上でも割高とは言えないと考えています(私見です)。
EPSが成長する会社の株は高PERが許容される一方で、成長が横ばいあるいは減収減益の銘柄は、適正PERが低くなります。業績が横ばい安定の銘柄はPER 10倍を基本としていますが(私見です)、PER 5倍(収益ベースでの年利回り20%)で放置されている銘柄もあります。
株価が変わらないときの、EPSが年10%成長、年20%成長、年30%成長する銘柄のPERの変化をシミュレーションしてみましょう。
年10%成長 | 年20%成長 | 年30%成長 | |
現在 | 20 | 35 | 50 |
1年後 | 18.2 | 29.2 | 38.5 |
2年後 | 16.5 | 24.3 | 29.6 |
3年後 | 15.0 | 20.3 | 22.8 |
4年後 | 13.7 | 16.9 | 17.5 |
5年後 | 12.4 | 14.1 | 13.5 |
EPSが年10%成長する株の現在のPERが20倍だとすると、3年後のEPSで考えると現在の株価水準はPER 15.0倍、5年後のEPSで考えると現在の株価水準はPER 12.4倍と割安水準です。
同様に、年20%成長株では現在のPERが35倍でも、5年後のEPSを基準にすると14.1倍となり、将来を考えると今のPERが35倍でも割高とは言い切れません。
30%成長の場合も同様に考えます。
意味、分かるかな??
3回読むよ!
「買いたいPERの水準」を考える
以上のことを基準にすると「成長を加味すると割安」「成長を考慮し既に割高」との判断が行えます。
実際には、基準のPERよりもかなり低い水準で株を買いたいですよね。
中長期で「業績成長(EPS上昇)」「PER上昇」による株価上昇を掛け算で取れるのは、「成長を考慮して割安な株」を買ったときだからです。「成長に対して割安」な銘柄を買うことにこだわります。
以下の表は、私が意識している「買いたいPERの水準」です。
業績成長 | 基準PER | 買いたいPER水準 |
0% | 10倍 | 6倍以下 |
10%成長 | 20倍 | 10倍以下 |
20%成長 | 35倍 | 20倍以下 |
30%以上成長 | 50倍以上でもOK | 40倍以下 |
これはよく用いられるPEGレシオ(PER÷期待成長率%)と近似します(偶然です…本当なんです汗)。
ただ、単にPEGレシオ 1倍以下で買うと決めるより、将来の期待されるEPSから逆算して現在の適正PERを求めて、そこから買いたいPER水準を決めるプロセスに意味があると思うのです。
注意点!
注意点です!
ここまで述べたPER水準は、ふくろうが分類する「成長株」「割安成長株」「割安株」「景気敏感株(シクリカル株)」投資のうち、主に「成長株」「割安成長株」に関する記述です。
また、市場が許容するPER水準は景気サイクルより大きく異なり、また業種・業態、その時点での需給バランスによっても異なります。
具体的な数字についてはご自身の感覚で修正していただくべきです。あくまで私見ですので、その点はご容赦ください。
成長株の本の中には「PERは気にするな。高PERの銘柄はそれだけ期待されている証であり、もっともっと上がる」と書いてあるものがあります。
確かに高PERの銘柄は市場の期待も強く、上がる株は上がり続けるというモメンタムもあるので半分正しいと思うのですが、業績拡大やPERの上昇には限度があります。適切なタイミングで降りないと、ババ抜きになってしまいます。
PERが高い=期待が高いということは、期待外れの決算一つでハシゴが外されるということです。
毎年30%成長すると予測されPER 50倍が許容されていたのに決算で減収減益になったり、突然将来の成長が見込めなくなる出来事が起きたら…許容PERは一気に20倍くらいになって大暴落ということもあります。
こわいですね…こういう被弾を防ぐには、そもそも高PER銘柄を買わない、会社の言うことを信じすぎない、銘柄に惚れない、分散投資をする、適切な資金管理をするなど、対策は色々とあります。
あまりここで書きすぎると私のBrain¬e「割安成長株投資の極意」が売れなくなってしまうので、ブログではこの辺でやめておきましょう汗
…という訳で、第1回「株価=EPS×PERを考える」に続いて、第2回では成長株の適正PERについての考え方を解説しました。
「割安成長株投資の極意」で解説すること
ふくろうの個別株投資【第1回】では「株価=EPS×PER」という基本的な概念を解説し、本記事【第2回】では成長株・割安成長株の「適正PER」「買いたいPER水準」の考え方について解説しました。
brain¬eで再販予定の「割安成長株の極意」では「株価=EPS×PER」「PER水準」のテーマに関しては、以下の項目について掘り下げて解説します。
- 株価=EPS×PER
- PERの詳細な解説
- 成長性と適正PERの関係
- 様々な業種・銘柄における適正なPER水準の考え方
- 具体的なカタリストの解説
- カタリストを利用した投資手法
- 景気サイクルに応じたPERの考え方
- その銘柄って…成長株・割安成長株・成長株・景気敏感株(シクリカル株)??
- 成長株の終焉
- 割安株におけるPERの考え方
- 景気敏感株(シクリカル株)におけるPERの考え方
- 将来のEPSを予測する具体的な手法
この他、改訂・追記版のbrain¬e全体では、景気サイクルに応じた投資手法、会社四季報の見方、銘柄探しの実践、銘柄研究の具体的手法、成長株・割安株・シクリカル株の投資手法の違い、株の買い時(成長株・割安成長株・割安株・シクリカル株)、利用するチャート、資金管理・ポートフォリオ理論、日々のメンテナンス手法、株の売り時、テーマ株の考え方、V字回復投資法、市場全体の暴落予兆、暴落時の底打ちシグナル…に加えて、それだけで代金の元をとれる「おまけ」を付けます。
初版が66,000文字なので、今回は10万字を超えちゃうかもしれません汗。
brain¬e「割安株成長株投資の極意」
2021年に「brain」と「note」で「割安成長株投資の極意」を販売しました。
かなり反響があり、300名以上の方に買っていただき好評でしたが、思った以上に拡散されたので専業投資家の株クラのこわい人に見つかって大炎上して医クラの5chにも書かれて一時鍵垢に避難しました。
数量限定で販売停止にしていましたが、ブログ開設を機に、Brain¬eで販売した「割安成長株投資の極意」を大幅改訂・追記して、再販売する予定です。
初版を買っていただいた方は、アップグレードでそのまま改訂版を見られるようにします。
完成したらTwitterとブログで告知します。
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