2024年8月初旬、いきなりショックが来ましたね。
2024/8/5の月曜日は日経平均株価が前日比4451円28銭安の3万1458円42銭で、米株式相場の大暴落、1987年の「ブラックマンデー」を超えて過去最大の下落幅になりました。
今は高いから下落幅じゃなくて率で考えないとダメですよね…下落率も12%超で、過去2番目です。
私はレバレッジ併用でやっていましたが、なんとか生き残ることはできました。
ちょうどこの前日の2024/8/4に「【株・投資信託】暴落時の立ち回り方・やってはいけないこと」という記事を書いていたくらいで、ショックを意識できていたのですね。ラッキー。
この翌日の2024/8/6、なんと日経平均株価は5日の終値より3217円4銭 高い3万4675円46銭で、過去最大の上げ幅となりました。上げ過ぎてサーキットブレーカーがでるのは初めてです。
体感ですが、このスピードでの下げはコロナショックやリーマンショック以上ですね。
信用取引をする人の増加や、アルゴ・AIによる自動売買で売りが売りを呼ぶ展開が加速してるんですかね。とにかく、今後の暴落もこのスピード感だと思っておいた方がよさそうです。
急落からの急騰です。こういう時、どうすればよいでしょうか。
落ちてくるナイフは掴むな
相場格言?で「落ちてくるナイフは掴むな」という言葉があります。
相場急落は売りが売りを呼ぶ展開。下落の真っ最中に掴むとそのまま下落することが多く、「押し目買いのチャンス!」と予定外のナンピン、特に信用買いでのナンピンをすると危険だということです。
実は下落の始まりに過ぎなかった、ショックの始まりだった…ということもあります。
特に個別株で悪材料が出た後の下落では、適切な株価が1/2や1/3になったと市場に認識されることもあります。自分の考えが間違っている可能性も考えて、安易に落ちるナイフを掴む癖は付けない方がよいでしょう。
株価が落ち切ってからゆっくり買えばいい…と言いますが、落ち切ったのかどうかは後から見ないと分からないんですけどね。
難しい…
デットキャットバウンスの可能性を考える
「デットキャットバウンス」という言葉があります。株価が急落した後に一時的に起きる反発のことですね。英語では “Dead Cat Bouce” で、死んだ猫でも高いところから落とせば弾むっということから来ています。いや弾まないだろ…!と思うのですが。
デッドキャットバウンス、よくあるんです。
例えば、話題の1987年のブラックマンデー。
急落の後に一度急騰して、再度2番底を付けに行っています。
記憶に新しいコロナショックのチャート。
最初の下落で下ヒゲを付けて、一度上げ。しかしまたそこから下落。また上げて、また下落。現在進行形で見ると、後から振り返ってチャートで見るのと違って、「これは底打ちか!」みたいに思っちゃうんですよね。上がるのも日経平均1,000円以上上がるし…
という訳で、今回の急落のチャートがこれです。
これは、デッドキャットバウンスなのか、そうではなくて底打ちなのか。
そんなの分からん!
そんなの、分かる訳はないんですよ。
明日からぐんぐん上がっていって、この安値を割らなかったら底打ちだった、底を割れたらデッドキャットバウンスだったというだけです。
一度上がって底っぽいと考えて買うと、こうなっちゃうかもしれません(なおKeyさんはネタでツイートしてます)。
考えないといけないのは、「ここからさらに急落して想定外の安値を付けても大丈夫か」です。
信用取引でやっているなら、想定外の下落をしても耐えられるか。メンタルを含めて。現物株だけなら、自分のリスク許容度を再確認しましょう。銘柄変換をしなくてよいのかも考えます。
下落時のポジション量・銘柄についてはこちらの記事で書いたので、これも見てみてくださいね。
乱高下で欲張るな
急落→急騰→急落…こんな相場でX(Twitter)を見ると、
「今日上がるなら昨日買っておけばよかった!」
「昨日売っていれば…」
「明日上がりそうだから今日買った」
など、急に短期目線になる投資家をよく見ます。
そりゃ、暴落前に売って、底で買って、急騰で売って、また下がったら買い戻して…とできれば最高だけど。
そんなのできる訳ないだろ!!
ひえっ
間違えると往復ビンタになるのがオチです。
今日明日の株価を予測するより、大切なのは資金管理。
想定外の暴落をしても自分は耐えられるのか、その後にどう体制を立て直すのか。どうなったら買い戻しを始めるのか。
こちらの方が大事だと思います。
VIXが高いうちは買わない
相場が急変動(特に急落)するときは、VIX(恐怖指数)が高くなります。
VIXは株式市場のボラティリティ(価格変動の激しさ)を測る指標です。
今後の株価がどれくらい変動するかを予測するものとされ、不安や恐れが高まると、この指数も上昇します。相場が急落するとき、市場に不安材料が多いときや、経済的な不透明感が強いとき、VIXは高くなります。
通常、VIXが急に高くなるのは急落のタイミングですが、VIXは下落も上昇も含めてボラティリティの高い状態を意味するので、急落・急騰と乱高下が続くときはVIX高値が継続します。
日経平均のVIX(日経VI)は平時は20以下くらいですが、○○ショックのタイミングでは急騰します。
最近、日経VIが60を超えたのは、2001年のITバブル崩壊初日、2008~2009年のリーマンショック、2011年の東日本大震災、2020年のコロナショックくらいです。
日経VIは2024年7月は20くらいでうろうろしていましたが、2024/8/2は30.77まで上がり、翌営業日の8/5(ブラックマンデー超えの日)にはなんと最高85.38を付けました。
1日でショックと認定される値です…びっくり。
なお翌8/6(急騰した日)の引けでは51.19に下がり、記事を更新している8/9時点では45.28まで下がりましたが依然として高値です。
まだ高めですね。
私の場合は、VIXが高いうちは買い戻しや買い増しをしないようにしています。
乱高下しているうちは相場が不安定で、難易度が高いと考えています。次第に不安定さがなくなって、安定相場になりVIXは低下するはずです。その頃には相場は底を付けて上がっているかもしれませんが、必ずしも大底で買えなくても、大損のリスクを取るよりはよいのではないでしょうか。
必ずしも日経VIが20まで下がる必要はないと思いますが、少なくともVIXが上がっている最中、特に高い時期には新規買い、追加買いをするのは避けた方が再現性の高いパフォーマンスを実現できる…というのが私の持論です。
ショックの理由は後から付けられる
株価暴落時、「暴落の理由がないから大丈夫」というツイートを目にします。
でもショックでまさに下がっているときは、何で下がっているのか分からない、売りが売りを呼んで加速しまうんですよね。
ニュースでそれっぽいことを言っていても、後から理由が出てくる。
今回は、2024/8/6現在は、米国利下げと日本利上げの影響で、円キャリートレードの巻き戻しが起きているという理由が出てきました。
「日銀の利上げがきっかけ?…「キャリートレード」が世界の株価を圧迫している理由(海外)」
ただ、これだって本当かどうか分かりません。
この後、本当に世界同時株安になったら、違う理由が出てきて、しばらくすると景気減速っぽいニュースがたくさん出てきて理由になるのかも。
同じニュースでも、時期によってgood newsにもbad newsにもなります。
例えば、米国の利下げ期待で「景気減速の指標が出ると金利低下期待で株価にはプラス!」と言っていたのが、今は「景気悪化の兆候で株価下落」です。
市場の雰囲気も、市場参加者の言うこともコロコロ変わります。
同じ考えにこだわるのではなく、株価や金利の動きに合わせて、柔軟にニュースを受け取る必要があります。
なので、「暴落の理由がないから大丈夫」と思うのは基本的には危険な考えで、暴落したらまずは受け入れて、資金管理・銘柄を見直すことが大事だと思っています。
ショックの理由は後から出てきますよ。
まとめ
2024年8月上旬の急落→急騰の乱高下相場をきっかけに、乱高下時に考えることについて書きました。
- 落ちてくるナイフは掴むな
- デッドキャットバウンスの可能性を考える
- 乱高下で欲張るな
- VIXが高いうちは買わない
- ショックの理由は後から付けられる
私は急落時には安全を優先しているので、急落→急騰でそのまま上昇トレンドになった場合のパフォーマンスはよくありません。
ただ、急落でポジション縮小が遅れたり、初期に買い増しをしてリスクを上げる癖を付けると、いつか大損してしまいます。
日頃から資金管理、急落・ショックの対応を考えておき、いざという時に慌てないようにしておきましょう。
本記事が読者の方の投資にお役に立つことがあれば、幸いに思います。
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