
株は長期で右肩上がりだから買っておけって言うけど、本当なの!?

これはね…だいたい本当です。
放射線科医ふくろう(@tk2cafe)
・2年目ブロガー。Twitterフォロワー数20,500人以上
・医師13年目。放射線科診断専門医・医学博士。
・2020年からTwitterで株について発信。投資成績は2020年 +181.5%、2021年 +46.5%、2022年 -16.3%、2023年 +188.9%(税引前。税引後は+151.7%)、2024/7/22現在+40.2%(税引後)。
・不動産賃貸業14年目(区分マンションから小規模ビル・工場まで)
・年50万円を目標にポイ活を実践中
【注意事項】
本記事の内容は私の個人的な見解であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。また、本記事に掲載する企業の情報の正確性は保証できず、過去の内容を掲載することも多いです。
当ブログの内容に基づいて、または参考にして投資を行い損失が発生した場合でも、放射線科医ふくろうは一切の責任を負いません。投資は100%の自己責任で行うことを、改めてご確認ください。
世界の株価は上がり続けている!
世界の株価は上がり続けています。
米国での1801年から2012年の、株式・債券・金(ゴールド)の実質トータルリターンを見てみましょう。
「実質」トータルリターンというのは、名目リターンからインフレ率を引いたものです。

1802年に1ドルを投資したとすると2012年には、
- 株式:70万4,997倍
- 長期国債:1,778倍
- 短期国債:281倍
- 金(ゴールド):4.52倍
- 米ドル(現金):0.05倍
※インフレにより米ドル(現金)の実質トータルリターンはマイナス

株式だと70万倍!?!?
恐るべきリターンですよね。
でも、210年間で約70万倍になるということは、年間当たりに直すと、実質リターンは6.6%ちょっとです。年6.6%の運用というと、そこまででもないと思いませんか??
年6.6%の実質リターンを株で複利で運用すると、210年後には約70万倍まで増えてしまう…これが複利の威力です。
これは米国株の例ですが、世界株全体で見ても、株は債券や金(ゴールド)と比較し圧倒的なリターンが得られています。
上記の画像は「お金は寝かせて増やしなさい」から引用しました。
このグラフの原著はジェネミー・シーゲル博士の「株式投資」にある、とても有名なものです。
個別株投資をする方も、インデックス投資(株価指数に投資して平均的なリターンを得る投資)については一通り勉強しておくべきです。
簡単に勉強するなら、「お金は寝かせて増やしなさい」がおすすめ。
インデックス投資についてきちんと本を読みたいなら、「ウォール街のランダムウォーカー」は必読本です。

なんで株は長期で上がるんだろう。これからも上がり続けるの!?

基本的には、株は上がり続けるよ。
株価が長期で上がり続ける理由
米国「S&P500」

米国の株価指数「S&P500」を見てみましょう。
「S&P500」は米国の代表的な株価指数です。
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCが算出する指数で、ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場している銘柄から約500社が選出される、米国株全体を反映するインデックスです。
日本での「日経平均」「TOPIX」のようなものですね。
S&P500は長期で右肩上がりです。

S&P500はブラックマンデーやITバブル崩壊、リーマンショック、コロナショックなどの暴落局面を乗り越えて、最高値を更新し続けています。
日本人はバブル崩壊を経験しているので「株はこわい」というイメージがありますが、本来、株価は上がり続ける宿命があります。
株を保有すると、企業が生み出した利益の一部を享受できるからです。
この利益は株主が配当として受け取るか自社株買いに使われるか、企業の成長投資に使われるか内部留保が増えるかです。
- 企業の利益が配当として株主に還元される
株主は直接利益を受け取ることができる。直接的な株価上昇ではないが、受け取った配当を株に再投資すれば複利で殖やせる。 - 企業の利益が自社株買いに使われる場合
(償却された場合)総発行株数が減少するので1株当たりの純利益(EPS)が上昇し、その分、理論株価が上昇する。 - 利益が企業の成長投資に使われる場合
将来、会社の利益が上昇し、1株当たり純利益(EPS)が上昇するので理論株価が上昇する。 - 利益が内部留保として蓄えられる場合
企業の財務が改善し、資産の蓄積(BPS上昇・PBR低下)により理論株価が上昇する。将来の配当・自社株買い・成長投資の原資が増える。
このように、企業が利益を生み出す限り、配当をもらえたり株価が上昇して、ある程度のリターンが得られます。
ただし、個別銘柄では企業が利益を上げ続けられるとは限りませんし、思わぬ外部環境の変化や不祥事により回復不能な株価下落となることもあります。ここでの「企業が利益を生み出す限り、配当をもらえたり株価が上昇して、ある程度のリターンが得られる」というのは、米国S&P500やTOPIXなどのインデックスの話です。
インデックスでも、株価の上昇は一定ではなく、景気循環で調子が悪い時期もありますし、なんとかショックに見舞われることは定期的にあります。
また、日本の平成バブルのように株価水準が高すぎる場合は高すぎる株価が間違いであり、正常な株価水準に戻ってしまうと大損になることもあり得ます。

株価水準はどうやって判断すればよいのかな。

S&P500などの市場全体を見る場合、PERの水準を見るのが分かりやすいよ。
株価=1株当たり利益(EPS)×株価収益率(PER)で表されます。
株価=EPS×PERについての解説はこちらの記事で解説しているので、ご覧ください。
S&P500のPERのチャートはこちらです。
リーマンショックとコロナショックの時に高値となっていますが、これは株価=EPS×PERのうちEPSが低下したためPERが上昇したものです。

S&P500のPERは20倍前後が妥当という話が多いですが、変動が大きくコンセンサスはありません。
株価の上下→PERの上下となる他、市場全体のEPSが上昇すれば株価が同じでもPERは下がり、EPSが下落すればPERは上がります。
PERが高すぎるときに買うと、PERが適正水準まで下がることで大きくマイナスになることがありますが、指数採用の企業が増収増益を続ける限り、長期で考えると実力ベースでEPSが上昇し株価(=EPS×PER)は上昇するのが宿命と言えます。
理想的には、PER水準が低いときに多く買い、PER水準が高いときには少なく買うあるいは買わないのが、好パフォーマンスに繋がります。
日経平均・TOPIXも基本は右肩上がり!

でもさっきの図で…日経平均はほとんど上がってないよ?


これは、平成バブルのときが異様に高かっただけだよ。
株価=EPS×PERで表すことができましたね。
日経平均のEPS(1株当たり純利益)は、長期で上がり続けています。BPS(1株当たり純資産)も上がり続けています。つまり、日本株は実力ベースでは上がり続けています。

平成バブルのときはPERが60倍と超高値(今は12~15倍が適正とされる)でした。

平成バブルのときのPERが適正水準の15倍だったら、日経平均は約1万円。
これに対して、現在の株価水準はPER 15倍ちょっとで日経平均は約3.3万円です。日本株全体の利益成長が株価に反映されています。
つまり、平成バブルの日経平均40,000円近くというのが異常な値(過剰評価)で、現在は実力を伴って日経平均33,000円まで上がっているということですね。
PERは約16倍なので、そこまで割高感はありません。
米国株S&P500と同じように、日本株(日経平均・TOPIX)もEPS成長とともに株価上昇を狙えます。
日経平均採用の銘柄はあまり成長しないイメージがありますが、実際には売上・利益の成長が続いています。海外進出やM&Aでの成長もありますからね。日経平均でも銘柄入れ替えがあり、ダメになった銘柄は指数から切られます。

ただし、PER水準の変化により市場全体も大きく下落することがあります。
日経平均のPERが15倍から10倍に下がってしまえば、日経平均は2/3になってしまいます。
これにEPSの低下が加わればダブルパンチです。
「本来、株価は上がり続ける宿命がある」というのは10年・20年以上の長期で見た場合の話です。
特にEPSの成長を見たもので、PERが異常な高水準になってしまった場合には当てはまりません。PER水準が高いときに買ってしまうとPERの低下で株価は下がってしまいますし、市場平均と言えども株価は大きく変動します。これは大事なことですので、ご注意ください。
株価指数への投資手法
インデックス積立(ドルコスト平均法)
株価指数が長期で右肩上がりだと思えた方には、まずはドルコスト平均法での株価指数の積立(インデックス積立)がおすすめです。インデックス型の投資信託を毎月1回以上買いましょう。
ドルコスト平均法では、定期的に(例えば毎月1回)一定額の投資信託の買付をします。
購入口数を一定にするのではなく、購入金額を一定にするのがポイントです。

三井住友銀行の図がとても分かりやすいので引用しました。
一定口数(毎月30,000口)で毎月積み立てた場合よりも、ドルコスト平均法(毎月30,000円)で積み立てた方が、4か月目の時点で同じ12万円でも多くの投資信託を購入できています。
このように、毎月一定金額を買付するドルコスト平均法では、投資信託の価格が高いときには少ない口数を、価格が低いときには多くの口数を購入することになり、結果的に平均取得価格を抑えることができます。
特筆すべきは、ドルコスト平均法では「株価・基準価格が上がらなくてもプラス」ということです。
先ほどの三井住友銀行の図と同じように、毎月1回30,000口を購入する一定口数購入法と、ドルコスト平均法で毎月30,000円購入する例を作りました。
基準価格(1万口) | 一定口数購入 | ドルコスト平均法 | |
1か月目 | 10,000円 | 30,000円 30,000口 | 30,000円 30,000口 |
2か月目 | 11,000円 | 33,000円 30,000口 | 30,000円 27,272口 |
3か月目 | 9,000円 | 27,000円 30,000口 | 30,000円 33,333口 |
4か月目 | 11,000円 | 33,000円 30,000口 | 30,000円 27,272口 |
5か月目 | 9,000円 | 27,000円 30,000口 | 30,000円 33,333口 |
6か月目 | 10,000円 | 30,000円 30,000口 | 30,000円 30,000口 |
合計金額 合計口数 | – | 180,000円 180,000口 | 180,000円 181,210口 |
平均購入価格 (1万口当たり) | – | 10,000円 | 9,934円 |
損益 | – | ±0円 | +1,210円 |

基準価格は10,000円から始まって10,000円に戻っても、ドルコスト平均法で買っていればプラスになります。

ほんとだ!
実際にはここまで激しい変動はしないので、あまり大きな差にはなりませんが…株価・基準価格が上がらなくてもドルコスト平均法で買っていれば「高い価格で少なく買い、安い価格で多く買う」効果でプラスになってしまいます。
全世界株式や米国株株式の期待リターンは年5~7%と言われています。
今回は、「老後2,000万円問題」を意識して、低めの利回り3%でシミュレーションしてみました。

例えばドルコスト平均法で毎月3万円を積み立てて、年平均5%の利回りで27年間複利運用をすると…



積立額972万円に対して、27年後には約2,050万円です。
年5%の利回りで毎月3万円の積立を27年(入金が合計972万円)以上すれば、「老後2,000万円問題」は解決ですね!
金融庁の「資産運用シミュレーション」で自分で設定できるので、可能な入金額と想定年利、年数を入力して、ぜひ試してみてください。
ちなみに、972万円を一括で入金してそこから年利5%で27年間運用できると、27年後には3,629万円になります。
積立だと投資初期の金額が低いですが、最初から972万円を用意できると、約3.73倍にもなります。
ちなみに、若い人(特に50歳未満の人)は、ものの本に書いてあるような「株式と債券をバランスよく配分しましょう。どんなポートフォリオにするかが大事です」みたいのは無視して、100%株式にした方がよいと思います(超私見)。
わざわざ債券を入れてパフォーマンスを落とすことはなく、株式でリスクを取る方が期待リターンは大きくなります。債券を入れるくらいなら積立金を減らしてもよいのでは…と常々思っています。
が、長くなるので、インデックス積立については別記事で詳しく書きたいと思います。
個別株投資
インデックス投資での期待リターンは年5~7%…確かに複利計算すると増えますが、30年間も積み立てて2倍ちょっとというのは、少し物足りないと思う方も多いでしょう。
インデックス投資の良さは、ほったらかしで資産形成ができることです。
仕事や趣味の時間を減らすことなく、株価推移や経済ニュースを頻繁にチェックする必要もありません。
ただ、インデックス投資だけというのは面白くはないです。
そして、インデックス投資だけをやっていると投資に関する知識は増えず(勉強する必要がほとんどないから)、技術も上がりません。
そのため、インデックス投資の積立を信じることができず、リーマンショックやコロナショックでは、せっかく積み立てていたものを、底値近くでこわくて全部売って損してしまった…という人が大勢いました。本当は安く買えるチャンスなので定額積立に加えてスポットで買ってもよいくらいですが。
株の知識がないと、こういう行動をしてしまいます。
私自身は日本株の個別株投資を中心に行っており、投資成績は2020年 +181.5%、2021年 +46.5%、2022年 -16.3%、2023年 +182.2.%(9月現在・税引後)です。
個別株投資は勉強しないとインデックス投資に負けてしまうことが多いのですが、勉強すればするほど市場平均に勝てる可能性は高く、インデックス投資とは比較にならないパフォーマンスを出すことも可能です。
もちろん、「個別株は右肩上がり」ではありません。
右肩上がりの個別株もあれば、株価が下がり続けて倒産する株もあります。「株価の右肩上がりが期待できる」というのは多くの個別株の平均値である株価指数に投資した場合です。
個別株投資に興味がある方には、まずはこちらの本がおすすめです。

私は個別株投資に関する記事や、現在の保有株について解説しています。興味のある方はこちらもご覧ください。

自分に合った投資を実践してみてください!
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